今日は、仮想通貨の根幹を成すブロックチェーンが作る未来について、ちょっと違った角度から考えていきます。
仮想通貨が話題になったことで、書店にはブロックチェーン関連本がたくさん並んでいますよね。
でも、どれも似たり寄ったり。「ブロックチェーンが凄いことは分かったけど、じゃあ何が変わるの?どう実用化されるの・・・??」という疑問を解消するには至っていないものばかりなんですよね。
実はこの現象、ある意味仕方ないことなんです。
今のブロックチェーンは、出たばかりのiPhoneのようなもの。当時は、iphoneという箱はあるけど、このデバイスでどんな便利なサービス(アプリ)が生まれるのかはよく分からないって状況でした。
今となっては、撮影、編集、音声入力、チャットアプリ、決済と超便利デバイスになったことは、言うまでもありませんね。
まさにブロックチェーンもその過程を歩むように感じます。中央を介在させず情報を分散的に扱うツールが、具体的にどんなサービスを生み出せるのか、ほとんどの人が想像できていないんです。もちろん僕もよく分かりませんw
ただ、未来のある地点で問題になりそうなこと、世の中的に必要に迫られそうな事を「ブロックチェーン」で解決しちゃえばいいんじゃない??という視点があれば、ブロックチェーンの活用方法も少しだけ見えてきます。これマジです。
それでは、僕が「未来予測×ブロックチェーン」で役に立った本を紹介していきます。
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ブロックチェーンは、技術革新の点に過ぎない
まずは、今年のベストセラー本「お金2.0」の作者、佐藤さんの1冊。個人的には、お金2.0より、「未来に先回りする思考法」を読んだ時が衝撃を受けました。
テクノロジー単体は、どれほど威力が大きくても所詮は「点」に過ぎないこと。
そして、テクノロジーはさらに新しいテクノロジーを生み出し、雪だるま式にインパクトが大きくなっていくこと。
この2つが、腹落ちするレベルで詳しく書かれています。
言われてみれば、ブロックチェーンだって、コンピュータとインターネットの重ね合わせで生まれたテクノロジーです。ブロックチェーンが革命的変化を起こすのは、ブロックチェーン×〇〇の掛け合わせで起きる気がします。
特に、僕が気に入っているパートを引用しておきます。
長期的にみれば、人間が想像できるようなアイデアは、そのほとんどが実現されます。結局、アイデア自体は、将来における「点」なのです。そのときは突拍子もないように思えても、時間の経過とともに、技術面や価格面でのブレイクスルーによってピースが埋まっていき、いつかどこかで進化の「線」に取り込まれます。問題はそのタイミングがいつかということです。
技術的に可能になっても、人々が感覚的に受け入れないものであれば、広く普及することはありません。人々の持つ価値観が切り替わるタイミング、それは技術の実現する利便性が、人々の抱く不安を上回った瞬間です。
誰がいつ実現するかは最後までわかりません。しかし、何が起きるかについては、おおよその流れはすでに決まっています。人が未来をつくるのではなく、未来のほうが誰かに変えられるのを待っているのです。適切なタイミングでリソースを揃えた人間が、その成果を手にします。
ブロックチェーンまわりの関連テクノロジーを知ると面白い
テクノロジーはそれ単体ではなく、いくつもの技術が重なりあって革命が生まれます。だから、今生まれ始めた他のテクノロジーも是非知っておきたいところ。
この本を読んだ時、「お金2.0」のスピンオフだ!と感じました。
仮想通貨とお金、未来の経済について、伊藤さんの個人的体験談が書かれています。
個人的に、日銀がデジタル通貨を1990年代から研究していたことには驚きました。日銀や金融庁が、仮想通貨にある程度歓迎的な態度を示しているのは、そういう経緯もあるのかなと。
ブロックチェーンが実現するのは、小さな経済圏
この本は、クラウドファンディングを主宰されている家入さんの1冊。中身をまとめるとこんな感じ。
- お金がなめらかに動くようになると、経済成長が活発化する
- 個人がそれぞれ安心できる小さな経済圏(コミュニティ)を作りたい
- 心の拠り所があれば、人は挑戦できる
これって、仮想通貨とトークンエコノミーの特徴そのものなんですよね。まさに、ブロックチェーン本より、ブロックチェーンの本質を突いた本なんです。
「居場所作り」は僕の個人的なミッションでもある。
結局、人がつらい思いをするのは「家か会社(もしくは学校)か」みたいな限られた選択肢の中で、そのいずれもの関係がうまくいかなくなるときだ。会社では上司にいびられ、家では奥さんに煙たがられている世の中のおじさんたちが小料理屋などに足繁く通うのも、「おかえり」と言ってもらえる場所が欲しいからなんじゃないかな、と思う。 なぜ僕がそういう場所にこだわるかというと、自分を肯定してくれる場所さえあれば、人はチャレンジすることに対する恐れが減るからだ。チャレンジした先に自分の居場所が作れたらベストだけど、ダメでも帰ってこられる場所があることは、とても大事だと思う。
「ブロックチェーンの技術で何が変わるか??」よりも、「ブロックチェーンで人の悩み・不満をどう解決したいのか??」その根底を探れる1冊です。
仮想通貨とベーシックインカムの相性は良い!
またまたブロックチェーンは関係ない本です(笑)
でも、これも読んでおいて、絶対に損はしません。
「仮想通貨×ベーシックインカム」はすごぶる相性がいいと思っていて、この2つは一緒に成長していくと踏んでいます。
仮想通貨上で行われている投げ銭やAirdrop(無料配布)も一種のベーシックインカムになりえますよね。
ビットコインはマイニングの貢献具合に合わせて、ビットコインが配布されます。このシステムを少し代えて、トークンエコノミー参加者全員にトークンが配ったり、所得に合わせた分配を行えば、それはもうベーシックインカムになりますよね。
ブロックチェーン上でお金や価値を運営すれば、中央不在なので莫大な管理コストもなくなります。この本を読めばわかりますが、生活保護者を決定するプロセスにかかっているお金は馬鹿にならない額です。そのお金をそのまま無料配布したほうが、よっぽど経済効率がいいと思うくらい。
国全体でベーシックインカムが施行されるのはまだ遠い話かもしれませんが、限定的な経済圏でお金が配布されるシステムは明日出てきてもおかしくありません。(Airdropはその先駆けですね)
ブロックチェーンの応用先の1つがベーシックインカムなのは、間違いありません。「働かざるもの、食ってよし」の時代について知りたい人も是非読んでみてください。
未来予測本で、ブロックチェーンを当てはめてみるのも面白い
未来予測本に書いてある未来を、「その社会、ブロックチェーンで実現できるかな??」と考えてみるのもオススメです。
この本は、2035年の未来で起こりうる変化を、100個リストアップしています。どれもこれも本当に面白い。
たとえば、無料タクシーの話は結構リアルです。
2035年のタクシーを考えると、都市部に「無料タクシー」が登場するだろう。
「無料タクシー」は東京のような大都市ではなく、
いわゆるコンパクトシティのような街、日本で言えば福岡ぐらいのサイズの街からはじまり、
無人自動運転タクシー(電動)が、iPhoneによって呼ばれた場所から目的地まで無料で運んでくれる。タクシー内は、目的地周辺の広告と属性にあったグローバル企業の広告が次々と映し出され、
その広告費で無人自動運転タクシーサービスは、運営されることになる。
タクシーに乗った出発点は、「リファラ」と呼ばれる事になり、
この無人自動運転タクシーを運営する会社は、人々の動向を完全に把握し、
個人志向と目的地にあわせた最良の広告を提供するあたらしい「メディア企業」になるだろう。
ブロックチェーンを使う必要があるかはともかく、このタクシー×広告は未来そのものに思います。
たとえば、「無料タクシーで移動してくれれば、化粧品が割引になるよ」ってシステムがあれば、使う人も多いのではないでしょうか?
タクシー料金は化粧品会社が払い、ユーザーは移動コストと化粧品割引がインセンティブに、化粧品会社は商品が売れる。莫大なマーケテイング費用をCMやブランディングに使うより、個人にインセンティブ(無料タクシー)を提供して商品を買ってもらったほうが絶対に効率が良いわけです。
このあたりの仕組みをブロックチェーン上でやってみると、凄い面白いと思います。
あと、未来予測については高城剛さんは最強なので、彼の類書は是非読んでみてください。
【まとめ】ブロックチェーンは、何にでも応用可能
「ブロックチェーンが革命的な技術なのは分かったけど、どう利用されるのか分からない」という声が多いので、ブロックチェーンの使い道について少し考えてみました。
この記事を書きながら、「やっぱりブロックチェーンは手段でしかない」と痛感しました。
悩みや課題を解決するために、「ブロックチェーンを実装したらうまくいくんじゃないか?」という発想が大事なのかもしれません。なので、ブロックチェーン単体に目を向けている人より、他の分野の専門家のほうがブロックチェーンを有効に使っていくでしょうね。
本日は、ここまでありがとうございました。
おすすめの仮想通貨本やWEB3.0についてもまとめているので、是非読んでみてください。