高城剛著「多動日記(健康と平和)」は2017年のベストブック【書評&レビュー】

なんの前触れもなく、突如として発売された高城剛の新刊「多動日記(一)「健康と平和」: -欧州編- (電子版 未来文庫)」が今年読んだ書籍でダントツに面白い、まさに2017年のベストブックでした。

先日Newspicksで「【新】多動力の元祖、高城剛。ホリエモンと人類の未来を語る」でホリエモンとの対談が特集され、多動日記が注目を浴びています。

高城剛さんは、同じ場所に3日といないほどに動き続け、世界中を飛び回りながら仕事をしていてます。まさにタイトルの通り、多動なお方です。胡散臭さも満載で、言っていることの何割が事実なのかわかりませんw 少し懐疑的な目線で、僕はいつもメルマガを拝見しています。

しかし、高城さん俯瞰的な視点や歴史を裏付けにした未来予測、新しいテクノロジーへの知見はピカイチです。そんな彼の、行く先々で思いの丈が綴られた物語が、この「多動日記(一)「健康と平和」: -欧州編- (電子版 未来文庫)」です。

高城剛が世界中を自分の足で動き回る理由

情報と情報を繋ぐコネクターはインターネットの世界には存在しない

高城剛がなぜここまで多動なのか。その理由が垣間見えた箇所がこちら。

点在するインターネットの情報をつなぐ「ミッシングパーツ」をストリートで入手できれば、インターネットにある情報の行間を読み解くことが、簡単にできるようになるだから、毎日のように1000ページもWEBサイトをビューするより、街で拾った「ミッシングパーツ」を持っていれば、1日20ページビューで十分だ。50分の1に情報削減。情報時代の宝の地図は、どんなに探してもインターネット上にはない。

インターネットでは埋めることのできない情報があることに、みんな薄々気づいていますよね。にもかかわらず、あなたは四六時中インターネットと繋がっていませんか?

実際、TwitterやInstagram,ニュースサイトを眺めても、数ヶ月後にその情報が自分の糧になった試しがあるでしょうか?あてもなくネットサーフィンをすることは、時間を消耗し続ける麻薬に過ぎないと、最近私は考えるようになりました。

だから、「要としている情報を探すためだけにネットを使う」のが、現代の正しいインターネットとの付き合い方のように感じます。オンライン時代だからこそ、オフラインで自分の知りたい情報をまず見つける。原体験あってのインターネットであることを、思い出させてくれました。

以前高城さんは、アナザースカイで「これからはインターネット的に生きたい」と言っていました。ワンクリックで情報にたどりつくネットスタイルを、リアルワールドで実行するという宣言だったのかもしれません。そりゃぁ、多動にならざるを得ませんね。笑

こちらの動画はそのアナザースカイの映像です。5分過ぎからのトークはマジで圧巻です。ぜひ御覧ください。

大手出版社に出せない理由はこのあたりか

この本を出版しようとするにあたり、編集者からGOサインは出なかったそう。そのため、今回はKindleのみからの出版となっています。たしかに、堂々とこのようなことを書いたら、大手出版社からは出せないと思いました。

この時代の真の勝利者は、1%の金持ちではなく、インディペンデントであることだ。数年前に起きたギリシャ危機真っ只中にアテネを訪れた際に、それを痛切に感じた。テレビではオーストラリア政府が優秀なギリシャ人の移住を歓迎するCMが流れ、国家や地域、なにより、そこに暮らす友人たちに依存していない人たちは、真っ先に混乱を脱した。それは1%だったはずの地場の金持ちではなく、いわゆるインディペンデントな人々だった。インディペンデントであることの定義は、広義には様々な制約を受けていない人を指すが、国家や体制は、どの時代でも人民が動かないように「ソフトに固定」することを常に目指している。それが米国南北戦争以降、奴隷解放からの絶対的規範になった。いわば奴隷は解放はしたのだが、「ソフトに固定」する時代へと変わっただけだったわけだ。 かつての日本であれば終身雇用であり、家を持つことが幸せであるという刷り込みを前提にした高額な住宅ローン、そしてマイナンバー制度に至るまで、人々を「ソフトに固定」することに、いまも体制は余念がない。人々が自由にその地を離れることができるようになってしまえば、税金は取れなくなるばかりでなく、消費も減ることになる。タクシー業界のお客とは、実際にタクシーに乗る乗客ではなく、歩合で働く運転手こそが客であることは常識だが、それはほとんどの国家や資本家と国民や労働者の関係にもあてはまる。フランチャイズの店主などは、典型例だろう。

多動な人達を留めることに成功した場所が、シリコンバレー

シリコンバレーがイノベーションの集積地となった理由が、非常に面白く語られていたのでこちらもシェアします。

多動なイノベーターは、民主主義的な世界では生きられない。なぜなら、この時代においては民主主義はイノベーションの反対語で、イノベーターのアイデアがマジョリティになって多くの人たちに理解を得るまでに、かなりの時間を必要とするからだ。 だが、多動なイノベーターは、そのようなかなりの時間を待っていることも、リニアな時間を持つこともできない。ひとりで非線形的世界を生きている。だから、保守だろうが革新だろうが、民主的な世界でイノベーターの場所はない。それゆえ、移動を続けるか、変化し続けるしかないのだ。 すなわち、イノベーターなき民主的世界では、ほんのわずかな変化か、現状維持以外は望めない。もし、国家や企業や誰かが、いままで以上の大きな成長を求めたり、なにかにおいて抜本的な問題解決をしたいなら、民主主義下では絶対に浮上することがない3%の多動な人物かつ2・5%のイノベーターを、「移動してしまう前に、思いとどませることができるか」にかかっている。その成功例が、シリコンバレーなのだ。

インディペンデントな人たちを、「移動する前に思いとどませることができるか」って、地方が生き残るために必要な政策そのものだなと感じました。

最近福岡市は空前の起業ブームで、官民が協力してアントレプレナーを誘致しています。日本の西海岸、シアトルを目指すと高島市長がおっしゃっていました。きっとこの施策が成功するかどうかも、「移動してしまう前に、思いとどませることができるか」にかかっているに違いありません。

【終わりに】高城剛とホリエモンの多動は違うのか?

NewsPicksより転載

時を同じくして、ホリエモンも「多動力 (NewsPicks Book)」なる本を出版しています。こちらの本も読みましたが、対象とする読者が違うように感じました

堀江さんの本が、「これからの時代、誰しもが行動しないとやばいよ?? とりあえず、みんな動けよ」と、まだ行動に移せていない人たちに訴えかけている啓発本であるのに対し、

高城さんの本は、「自分が動き続けた結果、こういう境地(思考)に達したよ?? 共感できる人にだけ響けばいいや」と、ある程度感度が高い人達に向けた一冊となっています。実際、高城さんはメルマガで、「全人口のある上位3%の中でも、更に上位3%のイノベーターにだけ自分の声が届けばいい」という風におっしゃっていました。

最後に、今回のタイトルは、トルストイ「戦争と平和」とアゴタ・クリストフ「悪童日記」へのオマージュが込められているのでしょう。作中に、「旅は自分が健康であること、そして世界が平和ではなければならない」と書かれていました。高城剛は、平和な世界を願って止まないのではないでしょうか?また、悪童日記のようなファンタジーの世界がリアルでも起きつつあるというメッセージにも感じました。

今回は、ギリシャを中心とした欧州編となっていますが、内容はその土地の旅行記ではなく、訪れた場所で高城剛の脳内に浮かんだ物語が描かれています。ネットサーフィンのごとく動き回る高城さんのリアルな物語は、そこらの小説よりも面白いノンフィクションです

こちらの本、Kindle Unlimitedに登録されているので、会員の方は無料で読めますよ。

高城剛についてもっと詳しく知りたい方は、こちらの一冊がオススメです。

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